「舞洲から勝てるカラダを」スポーツ栄養学で選手を支える食堂が出来るまで。

スポーツ栄養学をおいしい料理として表現したい

そこで、 僕の学んできたスポーツ栄養学の知識を飲食店の中でおいしい料理として表現したいと考えるようになりました。おいしい料理を食べていたら、自然と自分の競技に見合った身体ができてきて、いつのまにかコンディションも最高。選手の立場にたったとき、こんな環境をつくってあげたいと思ったんです。

 

しかし、僕は飲食の経験が浅くて、どうしても料理の質、味に自身があまり持てませんでした。もちろんこれは僕自身が修行して乗り越えていく必要があるんですけど、まずは僕が学んできたものを表現してくれる人とパートナーを組んで、事業を立ち上げたいと考えました。

 

そんな中で今の当店の料理長の熊取と出会い、縁あって共にパートナーとしてこの事業を立ち上げていくこととなりました。熊取は私と違ってずっと飲食の世界で働いてきた本物のプロの料理人。僕の知識をいつもおいしい料理として提供していただけるので、選手からの「おいしかった」という声を聞くと、良きパートナーとタッグを組めたことをいつも心から誇りに思います。

 

また、飲食での経験の浅い僕が成長していくために、今や彼の存在は僕にとって不可欠な存在です。時折厳しく言われふて腐れている時もあるのですが(笑)。僕が成長するために根気よく叱ってくれて感謝しています。

 

舞洲でしか食べることのできない料理を

経営的な視点でみると、舞洲は飲食店が発展しにくい街なんです。舞洲はいわゆる「イベントの街」。特にスポーツエリアについては平日、日常的に人が活動しているわけでもなく、ディナーの売り上げも期待できません。土日は確かに活動人口は増加するのですが、天気によって数千人、数万人規模のイベントが中止になる可能性だってある。チーム競技の大会では個人が単独で外食することなどめったになく、個人でお弁当を持ってくることがほとんどです。

 

やるからには、大阪市内どこを探しても食べることのできない、この舞洲という場所でしか食べることができない料理というのを出していく必要があると思うのです。

 

そういう意味では、「AthleteTable」はまさにこの街だからこそできる飲食事業だと思っています。この舞洲は弊社が運営する大阪エヴェッサだけではなく、お隣にはセレッソ大阪さん、オリックス・バファローズが活動しており、土日はアマチュア・少年スポーツ大会が毎週末開催されるという非常に稀な環境です。

アスリートの食堂自体まず出店場所が限りなく限定的ですし、またそこを一般の人も利用できるというのは、日本全国探してもほとんどありません。自分のやりたいスポーツ栄養ビジネス、それを求めてくれているチーム・ 選手、そして舞洲という街の環境が一致したことで、この事業が実現に至ったのだと思います。

<後編に続く>


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