【特別対談】オリックスとエヴェッサの若手選手が語りあう舞洲の魅力と可能性
2人の中に共通する関西愛
-合田選手は地元でやるからこそ落ち着いてできるのでは?
合田:そうですね。ただ、遠くに行ったら全部自分でやらないといけない。それと比べたらプレッシャーもそこまでないので、自分でモチベーションを保つのがしんどかった時期もありました。高校時代のチームは練習メニューからなにまで自分たちで考えるボトムアップのスタイルでしたので。
吉田:東海大相模は真逆ですね。きつかったですよ。本当にきつかったです。僕はピッチャーだったのでランニングがメインだったのですけど、例えば400mを10本走るメニューがあります。これは1分で帰ってこなければいけないのですが、最初の1,2本目はタイムを切れるんです。でも当然疲れてくるので、指定の時間が1本につき1分10秒ぐらいになって行くのかと思ったら、逆に短くなっていく。1本55秒で帰ってこなきゃいけなくなるんです。これはおかしいなと思いましたね。今だったら考えられないです。
合田:野球部の練習時間はめっちゃ長いですよね。「まだグラウンドおるで!」と話していましたよ。ただ、僕は高校の時は“追い込まれた”という経験はなかったです。大学がきつかったですね。合宿は朝からずっと砂浜を走って、昼は体育館に入ってから走るメニューがあるんです。足の違う部分に疲労がくるんです。それが1週間丸々続くんで地獄でしたね。
-先程大学に入ってからプロを目指したと仰っていましたが、いつ頃なのでしょうか。
合田:僕はずっと大阪にいたので全国レベルの選手とやることがなかったんです。自分のレベルがどんなものかわからないまま大学まで行きました。大学で初めて同年代の代表に入るような人とプレーしたのですが、そこで『やれるな』という手応えを掴んでからですね。大学2年生くらいのときです。
-そして最初に西宮ストークスに加入したと。
合田:そこで初めて大阪を出ました。近いですけど(笑)。
-そう考えるとお二人は対照的ですね。吉田選手は高校で外に出て行ってまた戻ってきて、合田選手はずっと大阪。それに高卒と大卒の違いもあります。吉田選手は何か大学のイメージや聞きたいことはありますか?
吉田:そうですね…。大学生活に憧れた部分もありました。周りからも「大学生活をもう1回送りたい」ということも聞くので、一般生徒として行ってみたいなという気持ちはありますね。
合田:僕は高卒でプロに行く流れが野球のようにバスケでも出来上がっていれば、高卒で行きたかったです。そっちのほうが近道ですからね。
-4年間は長いですからね。
合田:そうですね。勉強したイメージはあんまりないんですけど…(笑)。
-大学に行くとなれば吉田選手は東海大だったのかなと。
吉田:監督にもプロに行かないのであれば東海大ということは言われていたのですが、プロに行きたいという気持ちがありました。その中でオリックスに指名していただき、関西に戻れるということもあってめちゃくちゃ嬉しかったです。
合田:僕も関西が大好きですね。大阪にはずっといたいですし、出たくないです。
舞洲初の住人はオリックスの選手
-合田選手は、舞洲のことは昔から知っていたのでしょうか?
合田:小学生の時からバスケをやっていたので試合の時によくきていました。だから、違和感もあるんです。『プロとしてここに来るのか』という変な感じで。
吉田:僕も中学生の時に舞洲ベースボールスタジアム(現:大阪シティ信用金庫スタジアム)を結構使う機会が多かったので知っていたんですよ。今は住人ですからね。
-オリックスの選手たちが初めての舞洲の住人と聞きました。
吉田:自分の1年目は神戸だったので、今年住み始めました。新しい寮は嬉しいですし、野球に集中できるのも良いですね。
ただ、オフはなかなかすることがない(笑)。梅田や難波にはよく行きますね。野球は試合数が多いですけど、オフもしっかり取れるんです。
-合田選手のオフはいかがでしょう?
合田:土日が試合で月曜日がミーティング。火曜日がオフで水・木・金が練習でまた試合、という流れです。チーム練習は約2時間で、残りは個人で調整をします。オフは休みたいですね。ゆっくりしています。
-野球なら平日に見に行けますが、観戦は?
合田:他のスポーツを見に行く習慣があまりなくて、行ったことがないんです。(撮影日2017年7月25日時点)
-吉田選手はどうでしょう?
吉田:テレビでやっていたら見ます。野球しかやってこなかった自分からすれば『よくシュートが入るな』と思います。
-競技によって面白さが違いますよね。
合田:バスケは点がよく入るので飽きないというか楽しいなとは思います。大阪エヴェッサのアリーナは演出もすごいので、観に来てほしいですね。
吉田:見ていて飽きないなと思いますし、残り0コンマ何秒とかで大逆転して勝つ試合とかを見るので、野球にはないなと。バスケは見応えがあるスポーツだなと思っています。
-アリーナスポーツですので、野球と比べたらまた違いがあるかなと。
合田:チアも各チームにいて、タイムアウトの度近くでパフォーマンスが行われたり、エンターテイメントの要素が多いと思います。
-逆に野球の球場などのイメージはどうでしょう?
合田:ずっとテレビでやっているので小さい時から見ています。そういうこともあってルールを覚えてもらえて羨ましいなと思っていました。野球がやっぱり日本で1番なので、バスケもテレビで常に放映されるぐらいにならないといけないな、と。
吉田:あれだけ盛り上げてもらえるのでそれに応えられるような試合を見せなければ、とは思います。
大阪にあるが大阪を感じない舞洲-舞洲は3チームが揃っていて、歩いて他の競技のチームを見に行けます。こういうスポーツを楽しめるエリアは珍しいと感じますが。
合田:大阪の中心地のようなガヤガヤした感じはないですし。大阪らしさが逆にない気がします。良い意味でも悪い意味でも大阪なのに大阪じゃないような空間です。でも、だからこそ“スポーツの街“として認知度が高まってほしい。3チームが揃っているのでスポーツをメインとして盛り上げたいですね。
吉田:何もないと言ってしまえばそれまでですが、オリックスの選手たちの中でも『バスケとサッカーが近いので時間があれば見に行けたらいいね』と話をしています。他の人と比べればこれだけ近くに住んでいるので、いつでも見に行ける環境にある。時間があれば行きたいですね。
-チーム内で実際に足を運んでいる人とかはいるのでしょうか?
吉田:野球をやっていてもサッカーやバスケを好きな人はいますし、テレビで見ている人もいますよ。
合田:うちは野球好きな人が多いので、テレビでやっているのを見ていますね。ただ、スポーツを見るのが好きな人は多いですし、生で観戦したいですよね。
【後編へ続く】
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