セレッソだけにとどまらない。スタジアムDJが考える「舞洲を盛り上げる方法」とは
舞洲のクラブハウスの大浴場がすごいんですよ。そういえば昔、ジュビロ磐田から名波(浩)さんがセレッソに来て、挨拶行った時に「風呂場がない!」って言っていたんです。「風呂場ってそんなに大事なんですか?」『大事だよ、何言っているんだ!』というような会話をしました。
練習の後に湯船に浸かって顔を合わせることが大事だと名波さんは言うんです。それがないとダメだと言っていたのがすごく印象深いですね。それもあって、舞洲のクラブハウスになって大浴場があるのは素晴らしいなと思いました。
外にあるセレッソの森には、サポーターからの募金によって桜の木が植えられました。募金した人たちの名前が刻まれたプレートもカフェにある。照明機器も基金で管理していますし、“みんなで作ってきた”からこそ帰属意識がすごいです。ただ作っただけならここまで愛されないと思うんですよ。みんなで植えた桜を前にみんなで花見もするし、僕もMCとしてそのお花見大会に行くんです。その後、グラウンドを使ってサッカーをするんです。普段はU-18が使っているグラウンドに元選手が来て、大人のサッカースクールみたいなものをします。
クラブハウス基金を募金した人がクラブハウス内を見学できる機会もありますし、そこで僕は案内人をすることがあります。サプライズで選手を呼んでくることもありますね。この場所ができて、以前はできなかったことが本当に色々できるようになりました。
舞洲を盛り上げる“関西スポーツMC会”
舞洲にはエヴェッサのスーパーアリーナがあって、オリックスも最近、グラウンドを作った。ちなみに、オリックス・バファローズのDJの平野(智一)くんとエヴェッサのたつをくんと僕は同い年なんですよ。
“関西スポーツMC会”と銘打って、2,3ヶ月に1回飲み会やっています。たつをくんがMCをやっているレギュラー番組に僕らが出演して「一緒に関西盛り上げたいね」という話もしていた中、舞洲に3チームが揃ったんですよ。これはすごいことですよ。
ただ、何ができるかと言われたら、これからだと思うんですよ。僕もセレッソのDJを17年やって、たつをくんもエヴェッサの顔になっていて、平野もオリックス・バファローズで選手紹介とかやっていて。エヴェッサの声の人、セレッソの声の人、オリックスの声の人が今、40歳。僕らがスポーツDJとしてやっていけるのもあと10年、15年ですよ。次の世代に受け渡すと考えると、関西を声で盛り上げている人たちはこうなんだよ!ということをチームとスポーツの壁を越えてもっと発信していきたいんです。
例えばオリックスで柿谷曜一朗が始球式をするときの選手紹介は僕がするとか、オリックスの選手が来た時には平野が選手紹介をするとか、そういった“声”でも絡みたいなと思いますね。『めっちゃ仲良いやんこの人ら!』、って3クラブのファン達に思わせたい。それによって子供達がサッカーじゃなくて野球も観に行きたいと思うかもしれないし、みんなで楽しむなら舞洲に来て色々なスポーツを見ることができたらいいよね、と。そういった未来像について3人で話しています。
まだそれぞれの施設の中には入ってないんですけど、お互いで情報共有はしていて「こんなイベントやりたいね」「売上関係なくボランティアでもいいのでなんか1発どでかいの打ちたいね」と話しています。こうやって同じ場所で3チームが一緒になって、かつ僕ら3人が仲良いというのもたまたまなこと。これを面白いように次に繋げていきたいなと思います。
スポーツを楽しめる舞洲という場所をもっと認知されたい
今からの3年ぐらいは認知されたいなと思いますよね。セレッソのクラブハウスがここにあるのもそうだしオリックスもそうだし、スーパーアリーナでエヴェッサのホームゲームがあるということはもちろんなのですが、どんなアクセスでどんな施設があってとか駐車場はどうで…という全てを認知されたい。これだけ気軽に来れてこれだけ楽しめるというのを認知してもらった上で、それを合わせたイベントができれば良いんじゃないかな、とぼんやりですが思っています。今はこの3チームが合同で何かやろうとしている事実をみんなに知ってもらおうと動いている段階です。来る人が増えたら全てが変わると思います。練習場やアリーナに出るバスの本数とか、色々と変わってくると思います。それを変えるためには人が来ないといけないので。そして、人が来るために僕らが何かできれば良いなと。
スポーツの夢のプロジェクトが舞洲でできると思っています。これだけ良い土地でこれだけの環境があるんですよ。他にはない。バスケットもサッカーも野球もあって、1つの駐車場に車を止めれば、歩いていける。そんな中で、舞洲で3つのスポーツを見てきた少年が将来、それぞれのクラブの選手になったら夢がありますよね。エヴェッサの選手が『ここで昔セレッソの練習を見たんだよ』となれば素晴らしいと思います。どんどん、子供達の夢を叶える土地になってくれたら良いですね。
小学生が学校教育の中で、スポーツ施設を見に舞洲に来るのも良いと思いますし、“Made in舞洲”をもっと作っていきたいですね。“サッカー王国静岡”みたいな形で、”プロアスリートは舞洲から“みたいな。そういう世界を作っていきたいと強く思っています。
【プロフィール】
・西川大介(にしかわ だいすけ)
1977年1月6日生まれ。徳島県出身。小学生時代にサッカーを始めるも、高校生のときに怪我でプレーヤーを断念。その後、好きな音楽の分野でラジオDJを始め、2001年よりセレッソ大阪のスタジアムDJとなり、現在に至る。
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