舞洲から大阪のスポーツを盛り上げる!〜プロ3チームスタッフ対談〜

大阪市とチームの関わりについて思うこと

小浜:我々は神戸から移ってきたんですけど、大阪は商圏として日本の中でも大変魅力的な大きな都市。大阪の皆さんに応援してもらえるというのがスポーツチームとしての一番の目標というか、あるべき姿だと思うので、そうなる上で大阪市と何かをするということの意味合いはすごく大きいと思っています。

舞洲にはもともとセレッソさんがいて、エヴェッサさんが入ってきたわけですが、日本のプロスポーツの中でも成熟した3団体だと思うし、これからもずっと続いていくと思います。野球界って意外と遅れている部分が多くて、その一方ですごく新しいことを他の2団体はやっているので、そこを見習っていければと思います。特にメディアの世界はいろいろな出し方や斬新なものがたくさんあるので、一緒に勉強しながら大阪の中で発展していければ良いんじゃないかと。そういう意味でセレッソさん、エヴェッサさんと一緒に仕事ができる、絡めるというのは非常に大きな意味があると思っています。

 

:私の前任の時に大阪市と連携協定を結ぶという話が進み始めていました。それを私が引き継いで、締結とほぼ同じタイミングでBリーグが開幕することになったわけです。ただ、それまで私たちはホームアリーナというものがなかったので、それぞれ試合ごとに会場を探すという状態でした。大阪市とご一緒させて頂けることになって、こうして舞洲アリーナをホームアリーナとしてお借りすることができ、B1に加盟できたというのは本当によかったですね。

セレッソさんやオリックスさんに比べて我々は大阪のクラブであるにもかかわらず、まだまだバスケットボールをしている方以外にはあまり知られていない存在なので、大阪市と組ませていただくことによって少しずつ浸透していけば良いですね。実際、街や学校などでポスターを貼ってもらえることも増えてきました。だんだんそういう活動がしやすくなってきて、温かく迎えてもらえていただいているので、我々も温かくお客さまを迎え入れられるように頑張ります。

 

片倉:クラブと行政との関わりの部分は元々ホームタウングループが担当していたのですが、大阪の各クラブ・球団でもそれぞれ様々な取り組みがあるから、今回の舞洲のプロジェクトは広報でも参加したほうが面白いですよ、という話が来たんです。それで広報部内でどうするかという話し合いをしていて、僕が挙手しました。Jリーグやセレッソというところもそうですけど、スポーツはすごく狭い業界なんですよね。一方で大阪という街はすごくエンターテイメント性があって、プロ野球やバスケットボール、遊園地、その他の様々なイベントが行われているわけで、そういった話を共有できるというのはすごくありがたいなと思っています。

今までも各球団・クラブの担当レベルでの交流というのは実はあったのですが、会社単位での大きな話になっているかというとそうではなかった。そこに大阪市が一緒に盛り上げようと声をかけてくれたのがすごく大きいです。それは行政でないとできない仕事だなと思っています。

 

舞洲担当が語る、自チーム・選手の魅力

生え抜き選手が出る土壌はできた。過去のスターといえばあの人。

小浜:うちはこれからスター選手が出てくるような環境にあります。大阪に来てからはまずとにかく知名度を上げないといけないということで、大物選手の補強を長らく行ってきました。それがある程度一巡し、観客数も伸びてきて、旧近鉄ファン、ブルーウェーブファンではなくて、新たな“オリックス・バファローズファン”がすごく増えてきています。今は生え抜き選手を積極的に使おうとしていて、これから実績を積んで、日本代表に入れるようなスター選手が出ていく土壌ではあると思いますね。

オリックスのスター選手でいくと、僕も現役時代に一緒だった今アメリカでやっている彼(イチロー)の名前が出てきますね。入ってきた瞬間から、やたら上手だったんですよ。ドラフト下位なのに、すごい選手になるんじゃないかとは思っていたんですけど、あそこまでになるとは誰も思っていないですよね。まず大きいのはやっぱりスポーツ選手として一番大事な故障しないこと。仮に多少故障していても、彼は故障と思わずやれるという。体調の波も絶対にあるはずなんですけど、それを表に出さない。体が強いのか、鍛錬が良いのか、何が答えは分からないんですけど、あれだけ故障しないのはめずらしいですよね。

そしてこれは公務員やサラリーマンでもみんな一緒だと思うんですけど、彼の一番すごいところは目標を立てたら、それに向かって折れない。小中学校の時からプロ野球選手になる、オールスターに出る、打率何割で首位打者になる、メジャーで何本ヒットを打つとか、数字での目標というのを明確に自分の中に持って、進んでいける。夜中の2時まで練習するとか、周りから見たらこいつ大丈夫か、みたいなところもあるんですが、それくらい折れない。サラリーマンになってから思うんですけど、数字を残していく人は折れないし、まず明るい。

イチローもメディアに出る時はおとなしいイメージなんですけど、いつもはめちゃくちゃ明るいので。成績が悪かった時は落ち込んでいますけど、基本風呂入っている時だろうがロッカーにいる時だろうが、とにかく明るく前向き。彼はサラリーマンになっても役員になったり社長になったりするような人なんだろうなと思います。

 

Bリーグの開幕で盛り上がりを見せるエヴェッサ

:私が入社したのは2013-14シーズン直前なんですけど、その時は選手も大阪のチームなのですが県外出身者が多かったんです、でも、昨シーズンから大阪出身の選手が増えてきて、今シーズンは大阪出身選手5人のユニット名「E-FIVE」を大阪市の吉村市長に付けて頂きました。営業する時にも大阪の選手が増えてきたという話ができれば、チームを応援してもらえる理由の1つになり得ますよね。

Bリーグの開幕もあって、選手の心情にも少し変化は出ていると思います。特にご来場のお客様が増えたので、それが力になっているという声は多いですね。bjリーグのときはそれこそ観客数が3桁台の試合もありました。観客席のその光景を目に焼き付けていたんですけど、それが今は本当に2倍、3倍、4倍になってきています。不思議とものすごく増えたという充足感はなくて、まだこんなものかと思えてしまうくらい、今はもっとたくさんの方々に来て頂きたいと考えています。その発展途上に関われたのは嬉しいですし、スポーツの新しいプロリーグが始まる時に携われることもなかなかないですよね。

うちの選手で名前を挙げるとしたら在籍年数も長い、キャプテンの今野翔太選手ですね。「ここは負けたらいけない」という試合の時に、3Pシュートを決めて逆転したこともありましたし、土曜日に苦しい内容で敗戦しても、次の日、日曜日の試合にチームが持ち直していたりした時は特に今野選手の動きが良いなと感じることも多くて。そこはすごいなと思いますね。

 

セレッソブームの到来は近い!間近で感じた選手のスター性

片倉:私はセレッソがJリーグで一番応援のしがいがあるチームだと思っています。サッカーは日本代表がトップにあって、その下にJリーグがあるわけですが、現役日本代表のJクラブ在籍選手のスタメンがセレッソには2人いるんです!(山口蛍選手、清武弘嗣選手)プラスセレッソはイケメンが多くて。山口蛍選手、杉本健勇選手がその代表格で、私服を5000着持っているとか、ファッション誌から取材が来たりとか、そのくらいオシャレなんですよ。さらにすごいのが、イケメンの彼らが、めちゃくちゃ丁寧にファンサービスをするんです。

かっこいいテレビの中の有名人にはなかなか会えない。でもセレッソ大阪の舞洲の練習場に来ると、有名な選手と一緒に写真が撮れて、丁寧なファンサービス受けられちゃうという。これで生まれたのが、セレ女現象という社会的ブームです。今年はJ1に戻ってきたこともあり、今日も舞洲には可愛い女の子が、例えば柿谷(曜一朗)選手のサインが欲しくてずらーっと並ぶとかそういうことが起きています。あとはホームスタジアムが大阪の中心部の梅田から22分で行けるというのも大きいですね。これらの要素を考えるといつかはセレッソブームが間違いなく来るだろうと思っています。

選手のスター性でいえば、やっぱり柿谷曜一朗選手ですね。広報として1人の選手は推しづらいんですけど柿谷選手と時間を過ごせたのは僕にとってすごく大きくて。彼みたいなトップアスリートの考え方は、すごく生きるし、なんでこんな発想になるのかな、と。

印象的だったのが、『壁をどうやって乗り越えるんですか』という質問があって、色々な答えがあると思うんですけど、彼は「鍵を探す」と言ったんです。壁の中にも絶対どこかに穴があって、俺はその穴に合う鍵を探して開けますと。その答えにはさすがに驚きました(笑) 僕とは考え方の次元が違っていて。そういうのを日々聞いていたので、すごく面白かったですね。