プロのアスリートと食空間を共有。スポーツにおける食事の重要性を舞洲から伝える

前編に引き続き、「健康スポーツ食堂 AthleteTable」管理栄養士の安藤氏にお話を伺う。今回は、「AthleteTable」の運営の経緯や、スポーツをする人に食の重要性をどのように伝えていきたいかを語って頂いた。

Athlete Table ができるまでの大阪エヴェッサの食環境

大阪エヴェッサの選手にとって府民共済 SUPER アリーナは、ホームゲームの会場というだけでなく練習拠点にもなっています。平日はこのアリーナで練習やトレーニングをするわけですが、午前と午後の練習の合間に食事を食べるための選手食堂が本来必要になります。

これまで、エヴェッサの選手たちはこの練習の間の食事をコンビニで済ませている選手が多くいました。
どうしても外食、中食に頼らざるを得なかったんです。なぜなら、舞洲にはそうした食環境がない。アスリートとして望ましくないとは理解していながらも、コンビニでの食事に頼らざるを得ない状況でした。

 

そこに真っ先に問題意識をもっていたのがチームの石坂美彦フィジカルトレーナーでした。せっかくトレーニングをしても、食生活で台無しになる。どんなにケアをしても、食生活の乱れでケガにつながる。この環境をどうにか改善したいと常々話していました。

 

「AthleteTable」ができた今、大阪エヴェッサの選手たちはほとんどの選手が毎日ここで食事をとります。選手たちは望んで足を運んでくれます。これは大変ありがたいことです。

 

食事は毎日3回食べるものなので、よい食事の頻度が多くなるほど身体への好ましい影響もより強くなります。この食堂に足を運ぶことが習慣化されることで、身体や体調の変化を選手に感じてもらえるよう、料理長の熊取と一緒に料理を提供していきたいですね。

 

スポーツ栄養学を、スポーツに関わる全ての人に

「AthleteTable」の料理はバスケットボールやサッカーなどの持久系競技選手を意識してつくっている料理内容ではありますが、決してこうしたトップアスリートのためだけの敷居の高い食堂ではありません。

ジュニアアスリート、健康のためにスポーツをしている方、スポーツをされている子供のお母さん、スポーツ指導者、選手と同じ食空間を体感したいファンの方など、スポーツに関わる全ての人たちにとって体験してほしいと思っています。

スポーツをしている人は自分自身の身体づくりやコンディショニングに役立ててもらえばいいし、選手をサポートする側の人たちには当店の料理を通じて学び、自分のサポートしている選手に還元してあげてほしい。

今後はコラムやレシピのような形で、お母さんたちにも色々なスポーツ栄養学の情報を発信していったり、子供たちに向けてスポーツを通じた食育というのをやっていきたいなとも思っています。料理教室なんかもうちの料理長と一緒にやったら面白そうですよね。

食べるだけではない、食べて学んで身体をつくる食堂。これが「AthleteTable」の目指す形です。